近年、スーパーでもよく見かけるようになった種無しぶどう。
手間が省けるので食べやすく、便利ですよね。
種を取るのが面倒で食べなかった方も、これなら食べたくなるのではないでしょうか。
ですが、種無しぶどうはどのように作られているのか、考えてみたことはありますか?
そこで今回は、種無しぶどうについてのご紹介と、人体に害があるのか、安全なのかをを詳しくお伝えしていきます!
種無しぶどうは体に悪い?農薬ジベレリンの人体への影響とは?
種無しぶどうの開発は、偶然の産物から始まります。
もともとは、デラウェアの成長を早めるためでした。
またデラウェアの果実同士が成長して密着し、裂けるのを防ぐために、ジベレリンを使用したところ、種無しになることが判明しました。
ではこの農薬ジベレリンについて、掘り下げてお伝えしていきます!
種無しぶどうに使われている農薬ジベレリンとは?
ジベレリンとは、植物ホルモンと言って、植物自体が作り出したもの。
馬鹿苗病という稲の菌類による感染症の菌が元となっています。
馬鹿苗病に感染した苗は、正常な個体の約2倍も成長します。
この菌を培養したものがジベレリンです。
種無しぶどうにするには、ジベレリン処理と言って、たジベレリン水溶液に浸す必要があります。
ジベレリン水溶液に浸すタイミングは、ぶどうの木の満開前と満開後の2回。(品種によって時期が異なる場合があります。)
1度目は、ぶどうの受精を阻害し、種無しにするためで、2度目は果実の成長を促進させるためです。
ジベレリン処理は1970年ころから行われていたと言われています。
始めはデラウェア等の小粒のぶどうを主にジベレリン処理していました。
最近では大粒の巨峰やシャインマスカット、などにもジベレリン処理を施し、種無しに改良しています。
思い返してみたら、私たちは種無しのぶどうを結構食べていますよね!
ジベレリンは体に悪い?人体への影響とは?
では、ジベレリンは体に悪くはないのでしょうか。
もともとあるものを無くしてしまうほどのものなら、多少なりとも人体に害を及ぼしそうな気がしますよね。
結論、ぶどうが収穫される頃には、ジベレリンが人体に与える影響は少ないと考えて良いです。
ジベレリンは、日本で農薬登録がされています。
日本で農薬登録をするには、様々な厳しい審査を受けて初めて登録が可能になります。
その審査項目の中には、もちろん消費者に対する安全性があるかどうかも審査されます。
以上から、人体にはほぼ影響がありません!
種無しぶどうの安全性は?皮ごと食べられる?食べてはいけない?
ここまで、ジベレリンについて詳しくお伝えしてきました。
それでは、成長過程でジベレリンを使用している、種無しぶどうの安全性はどうなのでしょうか。
日本の種無しぶどうは安全
日本の種無しぶどうも、輸入した種無しぶどうも、どちらも安全です。
ここで「残留農薬が不安・・・」と感じるかたもおられるはず。
ご安心ください。残留農薬の検査は、輸出国にて検査され、日本に入ってくる時点でも検査されます。
このダブルチェックを通ったぶどうしか市場に流通しませんので、安心してお召し上がりいただけます。
また、ここで「皮が白っぽいのはもしかして農薬!?」と不安に思う方もいますよね。
この白っぽいものは農薬ではありません。
ブルームと呼ばれるもので、ぶどうの水分の蒸発を防ぎ、鮮度を保ってくれるものなんです。
また、病気からぶどうを保護する役割もあるんですよ。
ぶどう以外にも様々な果物で分泌されています。
ですので軽く洗って、皮ごと安全に食べることが出来ます!
発がん性物質の影響の指摘も
ただ、ジベレリンに発がん性物質が含まれているというのも事実です。
エジプトの研究では、マウスに22ヶ月間、胃にチューブやカテーテルなどの管を入れてジベレリンを投与。
すると乳腺ガン、肺ガンなどが見られたという研究結果があります。
ですがこの研究では、どれくらいの濃度で、どれくらいのジベレリンを投与したのかが明確に書かれていません。
ジベレリン=発がん性物質がある、と結論付けるには不十分です。
ジベレリンに発がん性物質があるとしても、マウスのようにジベレリンを直接投与したり、摂取するわけではありません。
先述の通り人体にはほぼ影響がないと考えて良いでしょう!
心配な場合は種なしぶどうではなくオーガニックなぶどうを選ぶのがおすすめ
ここまで、ジベレリンは人体に害がほとんどないことをお伝えしてきました。
種無しぶどうは国内外問わず、安心してお召し上がりいただけます。
どうしても心配な方は、オーガニックなぶどうを選ぶのがおすすめです。
ですがここで注意です。
オーガニックと謳っていますが、殺菌や除草のための農薬は使っていなくても、ジベレリン水溶液は使っている、ということもあります。
オーガニックなぶどうを選びたいという方は、きちんと確認してから購入する必要があります!
他の種無しフルーツも体に悪い?皮ごと食べられる?食べてはいけない?
種無しぶどうがどのように作られているのか理解したところで、他の種無しフルーツも、同様に作られているのか、疑問に感じますよね。
ぶどう以外にも、種無しのフルーツはあります。
ここからは、他の種無しフルーツのご紹介をしていきます!
自然発生的に種無しになるフルーツもある
実は、ジベレリン処理を施さなくても、種無しとして育つフルーツは稀にあるんです。
代表的なフルーツを挙げてみました。
①温州みかん
温州みかんは、突然変異で受粉無しで果実を作ることが出来るようになったフルーツです。
更に花粉の量が少なかったり、受粉能力そのものが低く、めしべが発達していないため種を作りにくい構造をしています。
②パイナップル
パイナップルは、種からではなく、株分けで増やしています。
品種改良して種の少ないものが市場に出回っているので、種を殆ど見ることはありませんが、実は皮の近くに種があります。
③バナナ
バナナの場合も実は種がありました。
中心にある黒い点々が種だったものですが、突然変異で種が無くても育つようになりました。
自然発生的に種無しになるフルーツは問題なく食べられる
このように、自然に種無しになったフルーツは、ジベレリン処理をしていないもの。
ジベレリンが心配な方でも、安心してお召し上がりいただけます!
ほとんどの種無しフルーツは人工的に作られている
現在では、種無しの方が食べやすく人気もあるため、さまざまなフルーツの種無しが栽培されています。
その殆どが、人工的に栽培されたものです。
最近では、種無しすいかも人気ですね。
人工的にと聞くと、体に悪い影響を与えるイメージがありますが、人体への影響は少ないものです。
むしろ消費者を思う農家の方々の大変な苦労で、食べやすく改良されているんですよ。
例えばぶどうは、1房1房丁寧に、コップに入れてジベレリン水溶液に浸します。
それを2回も繰り返しているのですから、消費者としても美味しく食べたいですよね!
まとめ
今回は種無しぶどうの安全性や、作られ方についてお伝えしました。
農薬と言っても日本で安全が確認されたものを使用しているので、安心して口にすることが出来る、ということが分かりましたね。
種有りと種無しとでは栽培方法が若干変わるため、味や食感も違うと言います。
気になった方は、食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね!
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